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SQE Updates

SQE1・SQE2合格率の真実|初回受験者と再受験者で異なる統計の読み方

CELE SQE Team
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May 24, 2026
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SQE1・SQE2合格率の真実|初回受験者と再受験者で異なる統計の読み方
SQE1・SQE2の公式合格率を表面の数字だけで判断していませんか。初回・再受験別の見方、FLK1とFLK2の差、学習戦略への活かし方を丁寧に解説します。

「最新のSQE1合格率が56%まで下がっていて、もう間に合わないかもしれません」——先日、東京の日系ローファームで働きながら準備されている受験生の方から、こうしたご相談をいただきました。SRA(Solicitors Regulation Authority)が公表した数字を見て、急に不安になられたとのことです。お気持ちはよくわかります。しかし結論から申し上げると、その「56%」という見出しの数字だけを頼りに、ご自身の合格可能性を判断するのは適切ではありません。

SQEの公式統計は、層別(segmentation)して読むことを前提に設計されています。初回受験者と再受験者、FLK1とFLK2、受験コホートの背景——これらを分けずに眺めると、まったく違う物語が見えてしまいます。本稿では、日本から英国ソリシター資格を目指される方が、SRA公表データを誤読せず、自分の学習計画に正しく落とし込むための視点を整理いたします。

SRA公式統計が示しているもの、示していないもの

SRAは各SQE1・SQE2の試験回(sitting)終了後、おおむね数か月の精査期間を経て統計を公表します。公表される主な指標は、overall pass rate(全体合格率)、first-time candidates(初回受験者)の合格率、resit candidates(再受験者)の合格率、そして受験者の属性別(年齢、エスニシティ、障害の有無、トレーニング背景など)のブレイクダウンです。

ここで重要なのは、SRAが公表している数字は受験者集団全体の結果であって、「あなたと同じ準備期間・同じ背景の人がどれだけ受かったか」を直接示すものではないという点です。たとえば、フルタイムで法律事務所に勤務しながら週末だけ勉強した方、海外法域の弁護士資格を持つ方、英語が第二言語の方——それぞれの合格率は当然違いますが、公式統計はそこまで細かく分解してはくれません。

SRA統計は「過去の集団に何が起きたか」の記録であって、「あなた個人に何が起きるか」の予測ではありません。学習設計の参考にはなりますが、合否判定の代理指標ではないのです。

First-time candidates と Resit candidates:本当に見るべき数字

もしSRA統計から一つだけ読み取るとすれば、私は迷わず初回受験者の合格率を挙げます。なぜか。再受験者には、前回不合格となった人が含まれます。前回ボーダーラインで落ちた方が再挑戦されるケースが多く、母集団そのものが「一度は届かなかった人々」に偏ります。したがって再受験者の合格率は、構造的に初回より低めに出やすい傾向があります。

逆に言えば、初回合格率は「ゼロから準備して臨んだ受験生のうち、どの程度が合格ラインに到達したか」を示す指標として、より素直に読めます。SQE1の最新数回の試験を通じて、初回合格率は概ね全体平均より高く、再受験者を含めた全体数字よりもポジティブな景色を見せてくれます。

日本から準備される方の多くは「初回で必ず受ける」とお考えのはずです。そうであれば、見出しの全体合格率に動揺するよりも、first-time pass rateを基準にご自身の準備度合いを評価される方が現実的です。

FLK1とFLK2は別物:合格基準と科目特性の違い

SQE1はFLK1(180問)とFLK2(180問)、各5時間20分の二日構成です。両方のペーパーをそれぞれ合格ライン以上で通過する必要がありますが、合格ラインは試験回ごとに、難易度調整(standard setting)を経て個別に設定されます。

FLK1にはContract Law、Tort Law、Business Law and Practice、Dispute Resolution、Constitutional and Administrative Law & EU Law、English Legal System、Legal Servicesが含まれます。一方、FLK2はProperty Law and Practice、Land Law、Trusts Law、Wills and the Administration of Estates、Solicitor Accounts、Criminal Law and Practiceの6科目です。

受験生の体感として、Solicitor AccountsやTrusts Lawは初学者にとって独特の論理構造を要求し、ここでつまずく方が少なくありません。逆に、Donoghue v Stevenson以来確立されたnegligenceの枠組みを扱うTort Lawや、Partnership Act 1890を軸に展開するBusiness Law and Practiceは、判例・条文との対応関係が明快で得点源になりやすい科目です。

公表される合格率はFLK1とFLK2を区別せず「SQE1全体」で示されることが多いですが、ご自身の準備状況を点検する際は、FLK単位で模試の得点率を追うことを強くお勧めします。「SQE1の合格率が55%」よりも「自分のFLK2模試が現在65%」の方が、はるかに行動可能な情報です。

SQE2合格率の構造:5技能評価のクセを理解する

SQE2の合格率は伝統的にSQE1より高く、近年は70%前後で推移する回もあります。これは「SQE2が簡単」という意味ではなく、SQE2受験者がすでにSQE1という第一関門を通過した、いわば選別された母集団であることが大きな要因です。

SQE2はClient Interviewing、Advocacy、Case and Matter Analysis、Legal Research、Legal Writing、Legal Draftingの5技能を、口頭評価と筆記評価の組み合わせで判定します。Pearson VUEの閉鎖環境で実施され、ブラウザもインターネットも使えません。Legal Researchタスクは60分、検索はCtrl+Fのみという制約があります。Boolean searchが効かないため、データベースに収録された英国法令の構成を頭で把握しておく必要があります。

合格率の見出しが高くても、特定技能(特にAdvocacyやClient Interviewing)で苦戦される方は一定数いらっしゃいます。SQE2では各技能の総合評価(competency assessment)が求められるため、平均点ではなく底上げが鍵になります。

受験コホートによる変動:なぜ合格率は試験回ごとに動くのか

「先月の合格率が下がったのは試験が難しくなったから?」——よくいただく質問です。答えは半分Yes、半分Noです。SQEはitem response theory(項目反応理論)に基づき難易度調整を行うため、原則として問題の難易度差は合格点の調整で吸収されます。

では何が合格率を動かすのか。最も大きいのは受験者構成の変動です。たとえばトレーニング契約(training contract)を経た準備の整った受験生が集中する回、海外資格保有者が多い回、初回受験者比率が高い回——これらで合格率は自然に変動します。一試験回の数字を切り取って「難化した」「易化した」と判断するのは、統計的には乱暴です。

では受験生として何をすべきか。少なくとも直近3〜4回の移動平均で傾向を見ることをお勧めします。単発の数字に振り回されず、合格点(pass mark)の推移とあわせて読むと、過度に楽観も悲観もせずに済みます。

合格率データを学習戦略に翻訳する3つの問い

SRA統計を眺めたあと、ご自身に問うていただきたい質問はシンプルです。

  • 私はどの母集団に近いか?——初回受験で、フルタイム就業しながら準備するなら、参照すべきは「初回・パートタイム学習者」のおおよその水準です。
  • 私の弱点は合格点を押し下げているか?——SQE1ならFLK単位、SQE2なら技能単位で模試結果を分解し、最も低い領域を明確化します。
  • 残り時間でその弱点は埋められるか?——埋められないと判断したら、受験回の延期も合理的な選択です。Early Bird割引やリスケジュール期限を確認しましょう。

合格率はゴールへの距離計ではなく、コンパスです。数字を見て不安になるのではなく、次の一週間に何を変えるかを決めるための情報として使ってください。

CELE SQEがお手伝いできること

CELE SQE(celebar.com)は2021年の第1回試験から日本の受験生をサポートしてきました。13科目を体系的に学べるSQE1 Long-term Course(£3,720)やMid-term Course(£2,750)、FLK1・FLK2のどちらかに集中したい方のためのSingle FLKオプション(上記の半額)をご用意しています。試験3か月以内にお申込みの方には£150のEarly Bird割引もございます。本稿で触れた「FLK単位での得点率管理」を実践したい方には、SQE1 Question Bank(£575/月)や全科目テキスト(£950)、そしてSRAフォーマットに1対1で対応した61問のフルモックを含むSQE2 Course(£1,450)が役立つはずです。お気軽にWeChat SQE100、または[email protected]までご相談ください。

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